理事長挨拶

日頃より、私たちの活動にご理解とご支援を賜りまして、心より感謝申し上げます。

さて、私がおおぞらで仕事をするようになって10年たちました。

私の8歳下の弟は知的障害があり、おおぞらを利用していたこともありました。とはいえ、それまで福祉と関わりのなかった私は、おおぞらがどのような活動をしている所なのか知りませんでした。関わりのきっかけとなったのは、農業です。当時私は、無肥料での野菜作りをしており、それを気に入っていただき、おおぞらで購入してもらうようになりました。そんな中、秦理事長(当時事務局長)から、「“障がい者と兄弟”という内容で卒論を書いている学生がいるので、質問に答えてあげてほしい」と依頼をされ、障害のある兄弟がいる事による、良い事・悪い事を経験し、自分なりに考えてきたことを答えさせていただきました。その時の話を秦さんに共感していただき、「一緒に仕事をしないか」と声をかけていただきました。「誘われたらやってみる!」を信条にしていましたので、二つ返事でまずグループホームのお世話人から携わるようになりました。そして、日中活動の場である“きりの木”を立ち上げ、新グループホームの設置をめぐる、地域住民の方々への説明会に立ち会うなど、おおぞらの一員として活動して参りました。

障がい者を取り巻く状況は刻々と変化しています。株式会社などの新規参入も相次いでいます。選択肢が増えることは大変喜ばしいことです。だからといって、“特定非営利活動法人”である私達の役割が少なくなってきたかというと、そうではないと考えています。なぜなら、おおぞらの理念である『障がい者が住み慣れた地域で、生き方を自ら選択し(自立)、地域の一員として普通に暮らす事』はまだまだ道半ばであるからです。

今後のおおぞらの活動を楽しみにしてください。すでに支援にあたっている利用者さんの生活を壊さないためにも一歩一歩着実に事業を進めてまいります。まどろっこしく感じる部分もあるとは思いますが、皆様にもぜひご参加いただき、一緒におおぞらを育てていただければ幸いです。

特定非営利活動法人 おおぞら 理事長 小澤 純也